第68次教育研究佐賀県集会を開催しました

   

10月13日(土)、第68次教育研究集会を開催しました。

全体会 笑いの中に真理あり。道徳とどう向き合うかの道しるべとなる講演

全体会には、大阪教育大学名誉教授の長尾彰夫さんにお越しいただき、「これからの道徳~人権教育を大切にした実践~」の演題でご講話いただきました。

【「学習指導要領」も「全国学力・学習状況調査」も教員管理政策!】

「今を議論するには、過去の検証から始めなければならない」とよく言われます。長尾さんのお話でも、戦後教育のなかで1958年の学習指導要領改訂から特設道徳が始まったことにさかのぼって、講話が始まりました。1958年の学習指導要領改訂は法的拘束力をもって教員管理政策として導入されたこと、2006年には第1次安倍内閣のもと教育基本法「改正」、人事評価制度導入や全国学力・学習状況調査実施が行われ、50億という莫大な費用をかけて教員管理政策が一層進められていったことを話されました。「改正」教育基本法では、「『郷土』と『国家』を愛する」とされていますが、本来、『郷土』は『パトリオティズム』であり、『国家』は『ナショナリズム』である、『郷土』と『国家』は次元の異なるもので一緒にしてはいけないと長尾さんはおっしゃいます。私たちの郷土への思いを都合よく利用して、国家主義の強要をカモフラージュしているように感じます。

【「特別な教科 道徳」どこが特別か?】

長尾さんから会場へ、「各教科」は科学的真理を追究するものであり、体系的に教えることがでるものであるが、道徳はどうだろうか?と投げかけられました。つまり、算数であれば正確に計算ができる、国語であれば接続詞や文脈から内容を読み取ることができる、社会であれば歴史事象から考察できる、理科であれば観察・実験から考察できるといったように「各教科」にははっきりとした科学的真理があるのに対し、道徳は様々な状況下で様々な判断がなされるものであることが「特別」なる所以であるということです。

【教科書教材をどうとらえるか?『かぼちゃのつる』で勝てる!】

長尾さんのお話では、教科書教材の中には、「ローザパークとキング牧師」のように人権差別の撤廃に向けた公民権運動を取り扱った良い教材もある、しかし、検定教科書すべてに掲載されている「かぼちゃのつる」(1年生)はどうしようもない、この教材で勝てるとおっしゃいます。教科書の中では、ぐんぐん伸びるかぼちゃの生命力について、「節度・節制」の内容項目で扱っています。この内容項目で扱えば、かぼちゃが「節度・節制」もなく「わがまま」につるを伸ばしていたのでトラックにひかれてしまった、はみ出した「かぼちゃ」が悪いという学習になってしまいます。長尾さんは、誰が考えてもおかしいでしょ?マジっすか?と思うでしょ、教科書教材を使うことで「徳目」の決めつけ・おしつけ・こじつけになることに気づいてもらうための「おもしろい」教材でしょ。この教材で(反動政権と闘って)勝てるでしょと楽しそうに話されました。

また、「橋の上のおおかみ」という教材を挙げて、教科書では「親切」という内容項目で扱うことになっているが、子どもたちの発想はしなやかで、教科書の中で想定していない「丸木橋を新しく作ればいい」という考えが子どもたちも出てくる、「親切」の徳目をおしつけるのでなく、多様な意見を尊重することが大切だと話されました。

長尾さんの上記の言葉が印象的だった。最終的には教師の力量。わたしたちは、これからも「平和・人権・環境・共生」の4つの視点にたった教研活動で力をつけていきたい。

 - とりくみ

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